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机の下の秘密基地
……プロ家庭教師ごん太の小さな発見……
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沼から叫び声が
先日、高校3年生の生徒と一緒に英文を読んだところ、とても面白い文章だったので、ここに意訳してご紹介しようと思う。

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彼の名前はフレミングと言った。スコットランドの貧しい農夫である。ある日、彼が森で作業をしていると、沼地の方から叫び声が聞こえてきた。彼は道具を放り出し、急いで沼地に向かった。するとそこには既に腰まで沼に飲み込まれている少年がいた。その表情は恐怖にゆがみ、何とか脱出しようともがいていた。農夫はすぐに彼を救出した。彼が気付かなければ、その少年はゆっくりとした悲惨な死を遂げていただろう。

次の日、農夫のみすぼらしい家へ豪華な馬車がやってきた。そして、上品に着飾った貴族が出てきて、自分は昨日あなたに助けてもらった息子の父親であると告げた。
「あなたにお礼がしたい。あなたは息子の命の恩人だ」
しかし農夫は「お礼なんて受け取れない」とその申し出を断った。

その時、農夫の息子が玄関口に現れた。
「そちらはあなたの息子さんですか?」と貴族は尋ねる。
「そうだ」と農夫は誇らしげに答えた。
「なるほど。それでは、こういうことにしましょう」貴族が1つの提案をした。
「その子にきちんとした教育を受けさせることを私に許可して頂きたい。 あなたのような立派な人物の息子さんだ。きっと優れた人物になるでしょう」

そして、その通りとなった。農夫の息子はロンドンのセント・メアリーズ病院医学校を卒業して医学の道を邁進し、そしてあの世界中に知られるサー・アレキサンダー・フレミングとなった。そう、ペニシリンの発見者である。ペニシリンは多くの病気を治療する画期的な薬となった。

数年後、貴族の息子は大病を患った。肺炎である。当時肺炎は発病したらほとんど助からない病気であった。しかしその少年が死ぬことはなかった。

なぜか?
ペニシリンが発見されていたからである。

ところで、その貴族の名前は?
彼はランドルフ・チャーチル卿という。

では彼の息子の名前は?
サー・ウィンストン・チャーチル。
後にイギリスの首相となる人物である。

こうして、2人の息子はともに偉大な人物となったのである。
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私の感想。冒頭の2行で「農夫が森で作業していたところ、沼地の方から叫び声が聞こえてきた」なんて始まり方をする英語の文章で、いまだかつて面白いものはなかったが、これには予想を裏切られた(大体、中1・中2レベルの英文に「森」「農夫」「熊」「困っているところを助けた or 助けられた」のようなくだらない文章が多い)。

それから、これが実話であるならば、何がこのような奇跡的な偶然を呼んだのかと考察するに、やはり大物の眼力なのではないかと思う。チャーチルを生むような貴族の当主が、農夫を見て「これは農夫をしているが只者ではない。彼の息子もまた何か秘めたる才能があるに違いない」と半ば確信めいたものを感じ、その結果、彼の血を引いた偉大なる息子と、彼が見出した偉大な才能の2人を輩出したのだと考えられる。

別の生徒にこの話を紹介したところ、「じゃあその貴族は息子を2回救った訳ですね」と、(考えてみれば)至極当然の感想を述べてくれて、私はあまりそういった観点に気付いていなかったため「なるほど…」と思った。きっとチャーチルは父親に全く頭が上がらなかったに違いない。

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