算数や数学で不等号の考え方が出てきたとき、多くの人がちょっと不思議に思うことがある。
ここで念のため不等号の考え方について確認しておこう。
(1)「5歳以下の子供は無料です」
と言った場合、5歳の子供も含める。つまり、5歳の子供は無料である。
(2)「5歳未満の子供は無料です」
と言った場合、5歳の子供は含めない。つまり、5歳の子供は有料である。
続いて、
(3)「5歳以上の子供が参加可能です」
と言った場合、5歳の子供も含める。つまり、5歳の子供は参加可能である。
(4)「5歳より上の子供が参加可能です」
と言った場合、5歳の子供は含めない。つまり、5歳の子供は参加できない。
-------
上記の規則は(例文からも分かる通り)算数・数学に限った話ではなく、日常生活においても重要な考え方なので多くの人がご存知だろう。
ここで不思議なのは、「以上・以下」がきちんと対になっているのに対し、「未満」に対応する熟語がないため、どうしても「5歳より上」といった少し遠回りの表現を用いるしかないということである。
これに関し、「未満に対応する熟語は"超過"である」とする説もあるが、実際問題として「5以下・5未満・5以上」とは言うものの、「5超過」という言い方はしないので完全に対応した熟語と言うことはできないだろう。
「以上・以下のように、未満にぴったりと対応する熟語があれば算数・数学において多少すっきりする部分があるのに…」というのは、多くの人が一度は考えたことがある話だろう。しかし実際問題としてない以上、これは日本人として乗り越えるしかない壁だと思っている。
-------
こんな話を先日もある生徒さんにしていたのだが、その生徒さんがふと「先生、英語ではその辺りはどういう対応関係になっているんですか?」と尋ねてきて、あまり深く考えたことがなかったのですぐに答えることができず、今度までの「先生の宿題」とさせてもらった。授業後、知り合いのネイティブスピーカーの人に尋ねたりインターネットで調べた結果、大体以下のようになっていることが分かった。
(1)5以上:
more than or equal to 5
greater than or equal to 5
(2)5より大きい:
more than 5
(3)5以下:
less than or equal to 5
(4)5未満:
less than 5
算数・数学の不等号(<・>・≦・≧)で表されるようなケースではこのような言い方が一般的だそうである。
また、不等式を離れて日常会話の表現であれば
・5 or more(5 and more)
・5 or less(5 and less)
という形の言い方もよく用いられるそうである。
他にも under・below・at least …など、数字にまつわる表現は色々なものがあるが、とりあえず上記のものを抑えておけば自分の伝えたい内容を表現するのには困らなさそうである。
【広告】ただ今 新年度(2017年度)の生徒さんを募集中です。上記のように生徒さんに鋭い質問をされて私も勉強になることがあります。私と一緒に勉強に対して真剣に取り組んでみませんか?中学受験・高校受験・大学受験と幅広く対応しております。横浜で家庭教師をお探しの方はぜひ一度ご相談を♪