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机の下の秘密基地
……プロ家庭教師ごん太の小さな発見……
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それは彼の時計ではありません【3】

前回のつづき。

翌日、竜馬は再び生活指導部に足を運び、先生に結果を尋ねた。

「もう一人の生徒に君が言った2つの特徴を聞いてみたよ。そうしたら彼はその特徴を全く知らなかった。そしてついに白状したよ」

こうして彼はやっと自分の腕時計を取り戻すことができたのである。

私はこの話を聞いていくつかのことを感じた。まずこの腕時計はいくらくらいする物なのか。彼に頼んで実物を見せてもらったところ、別にロレックスやオメガなどの高級時計という訳ではなく、いたってシンプルなシチズン製であった。「これって1万円くらい?」と尋ねたところ、「いや、7〜8万くらいしますよ」という。

私には分からなかったが、今回「その時計は俺のです!」と言いに来た生徒たちはこの時計の価値を知っていた可能性が高い。目の利く生徒が多いのはさすが進学校だからだろうか。しかもこのうちの1人は、文字盤の裏に書いてある情報まで先生に伝えたと言うのだから、かなりの下調べをして本気で手に入れようとしていたことが分かる。

高校生にしてかなりの目利きで、そして目的に向かって入念な準備をする姿にはある意味感服するが、生活指導部が相当にお灸を据えて説教しないと、こういう子こそがオレオレ詐欺のような知能犯に向かってしまう可能性が高いのではないかと感じた。

ちなみに、残り2人のうち1人は本当に腕時計をなくしており、後日、彼の腕時計も生活指導部を通して無事に返却されたそうである。しかし、その腕時計は竜馬の腕時計とは似ても似つかぬデザインのものだったらしい。このからくりは何となく予想がつく。

よく雨の日にコンビニなどで自分の置いておいた傘がなくなっていたら、「俺は確かにここに1本傘を置いておいたんだ。だからこのうち1本は俺が持っていく権利があるはずだ!」というよく分からない心理状態に陥ることがないだろうか?私が思うに、その生徒はきっとこの心理状態になってそんな行動に出たんではないかと予想している。

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