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机の下の秘密基地
……プロ家庭教師ごん太の小さな発見……
鳩サブレとおっくう【2】
前回のつづき。

鳩サブレと言えばよく「頭から食べる?それとも尻尾から食べる?」ということが話題になる。この件に関して私と裕次郎の意見は一致している。その答は「どちらでもない。袋の中で食べやすい大きさになるまで割ってから開封して食べる」というものだ。この方法だと食べかすをこぼさずに食べることができるので、意外と採用してる人が多いのではないだろうか。かわいらしい形をしているので割ることに抵抗がある人もいるだろうが、私は「どうせ食べるのだから…」と割り切ることにしている。

実はこの鳩サブレ、贈答用に使われることも多いからか、袋の中で割れないよう工夫がしてあることにみなさんお気付きだろうか。今度鳩サブレを食べる機会があったら見て欲しいのだが、尻尾の下の部分でビニール袋が圧着されている。これにより鳩サブレは袋の中で動き回らず、割れるリスクを抑えることができるのである(参考ページ)。

話は戻って裕次郎だが、彼は言葉に関しても独特の常識を持っている。先日も「先生、おっくうって言う言葉、知ってましたか?僕、この前の国語の授業で初めて聞いたんですけど、これマジで日本語じゃないですよね?」と言ってきた。「う〜ん、確かにしょっちゅう使う言葉じゃないと思うけど、割と知られてる言葉じゃない?」「いやいや、だって面倒くさいって意味でしょ?それなら面倒くさいって言えばいいじゃないですか。大体、言葉の響きが日本語じゃないですよ。アフリカか東南アジアの言葉みたいじゃないですか」
言われてみればそんな気もする。ちなみに、私は逆に「癒着」という言葉は本当にくっ付いてる感じがするので「これってなかなかぴったりの言葉だよな」と常々思っている。一方、「約束を反故にする」の「反故」という言葉は、なんだか「保護」と音が同じせいで、まるで約束を「守っている」ような気がして違和感を覚える。そう言えば、この「反故」という言葉も微妙に難しい言葉だ。うちの奥さんも知らなかったらしく、先日次のような会話があった(実話です)。

奥さん「動物園に連れて行ってくれるって約束、どうなったの?」
ごん太「ああ、あの約束は反故だよ」
奥さん「ホゴ?ホゴって何なの?」
ごん太「なしってこと。約束はなしだよ」
奥さん「あんた、ボコにするよ」

※ ボコにするとは若者語でボコボコにするという意味です。


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鳩サブレとおっくう【1】
今教えている生徒に、優秀な進学校(芝)に通っている裕次郎という高校生がいる。彼は頭の回転が速くとても飲み込みが良いのだが、なぜか時々微妙にズレた常識を持っており、そのことを指摘すると「いやいや、先生の方がズレてるでしょ!」と言ってきて、「確かにそうかもしれないよな…」と考えさせられることがある。

ここで少し話は変わるが、先日奥さんと子供と3人で鎌倉に行ってきた。平日であるにも関わらず鎌倉は賑わっており、修学旅行生・年配の人たち・外人さんと、色々な人種が鎌倉を歩いていた。そして、彼らの多くは手に黄色い紙袋を持っている。これぞ鎌倉名物、鳩サブレである。

私は彼らを見て、今さらながら2つのことに気付いた。「ああ、僕たち関東の人間は修学旅行と言えば京都・奈良だけど、関西の人たちはそんな近場に行くはずないから、みんな鎌倉にやって来るんだなあ…」「鳩サブレ作ってる会社ってめちゃくちゃ儲かってるよな…」

そんなことを思い、後日裕次郎にそのことを話したところ、裕次郎は鳩サブレが全国で売られている物だと勘違いしていることが分かった。まあそれはいいとして、じゃあ鳩サブレって全国的にどらくらい知名度があるのか?我々は神奈川県民なので当然知っているが、他の県民は果たして知っているのだろうか?という話題になった。

私はどちらかと言うと懐疑派である。確かに鎌倉銘菓と呼ばれているが、「旅好きの人は知ってる」くらいの知名度なんじゃないか。修学旅行生たちも先輩やガイドさんから「鎌倉と言えば鳩サブレなんですよ」と教えられるから買っているのではないかと。

一方の裕次郎はまるで熱狂的な鳩サブレ信者といった意見の持ち主である。「京都と言えば八つ橋、鎌倉と言えば鳩サブレ。東西の両横綱ですよ!」お前、さっきまで鳩サブレが全国で売ってると思ってたんじゃないのか?あと、京都の八つ橋は色んなメーカーが出してるけど、鳩サブレは豊島屋の一社独占だからやっぱり儲かってるよな…

その後、二人で話している限りこの話題に結論が出ることはなく、今後地方出身者の人に会ったら「鳩サブレっていつから知ってた?」と聞いてみなければいけないなと心に決めたのである。

次回、「鳩サブレは頭から?尻尾から?」につづく。


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結婚式での定番コメント
ここ数年、周りの友人が多く結婚した。かく言う私も3年前に結婚しており、年齢的に考えればまあ当たり前と言えば当たり前の傾向ではある。

結婚式に呼ばれるとコメントを求められる機会が多い。まず招待状の出欠ハガキには「二人へのメッセージ」という欄がある。また、当日にはビデオカメラを持った者が回って来ていきなり「お二人に一言メッセージをお願いします!」と来る。二次会のビンゴが当たれば「おめでとうございます!それでは、お二人に向けて一言コメントを!」と来るだろう。

私は友人の結婚式にはリラックスして臨みたいという気持ちがある。親しい友人が結婚したのだ、めでたい日ではないか。いつも以上に酒はうまく、久しぶりに会う話し相手の友人もドン・ガバチョといる。そんな時に緊張して頭を使うのは嫌なのだ。そんな訳で、私は2つお決まりのコメントを用意している。

1:今日は二人にたくさん幸せをもらいました。今度はお二人がたくさん幸せになって下さい!

なんて短くきれいにまとまったコメントだろう。それもそのはず。私が考えたのではなく、友人の結婚式でとあるダンディーな中年男性が司会者からコメントを求められた際に言っていたコメントなのである。ビデオ撮影でのコメントなどに最適だろう。

2:お二人の幸せと掛けまして、円周率と解きます。その心は…永遠に続くでしょう!

上のコメントとは対照的な面白系コメントである。なんてきれいにまとまった謎かけだろう。それもそのはず。私が考えたのではなく、良いコメントはないかとネットで検索していて見つけたものなのである。ちょっと考えるフリをしてからおもむろに言うと効果抜群だろう。

ちなみに、ご祝儀袋に金額を書き入れる欄があるが、私はその隣りに「僕と○○くんとの友情、プライスレス」と添えている。これは大して面白くないが、それもそのはず。これは私自身が考えたネタだからである。


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小6ミシュラン【後編】

前回までのあらすじ。
小学校6年生の生徒に「デニーズ行くくらいなら僕が教えるちゃんとした店に行った方がいいよ」と言われ、「小6のくせに何を生意気な…」と思いつつもその店へ行ってみることにした。

店の名前が分からない上に、彼が書いてくれた地図はひどいものだったので(曲がらなくてもいいところを曲がれと書いてあったりした)、着くまでに多少苦労したが、なんとか目的の店までたどり着くことができた。外から見た感じではこじんまりとしており、特に変わったところの見当たらないレストランである。

店に入った私は、すぐにこの店が期待を裏切らないであろうことを予感した。店内の一角に川崎フロンターレの選手のサインコーナーが設けられている。例外もあるだろうが、スポーツ選手がグループでやってくる店にまずひどい店はない。

そして何より客層。さほど広くない店内に既に3組の客。手前のカウンター席に上品なジャケットを着た初老の男性。奥の方のカウンター席には落ち着いた雰囲気のご婦人。そしてテーブル席には中学1年生くらいの女の子とその両親。

テーブル席のお父さんが赤ワインを頼む。物腰穏やかなマスターがデキャンタに入れた赤ワインを運んでくる。娘さんが「どうしてこういう入れ物に入ってきたの?」お父さんが答える。「赤ワインは空気と触れさせた方が香りが良くなるんだよ。こうして花が開くみたいだから、ワイン用語では香りが開くって言うんだ」

この客層がいる店でもし伸び切ったパスタが出てきたら、私は怒るよりも先に「大掛かりなドッキリかよ!」と突っ込みを入れてしまうことだろう。私は本当はトマトソースのパスタがそれほど好きではないのだが、ここまで来たら郷に従うしかない。「本日のお勧め」として黒板に書かれている「小エビとホタテのトマトソースパスタ」を頼んだ。

陸くんの言う通り、それはパンとともに運ばれてきた。早速一口食べてみる。麺のゆで具合は完璧だ。小エビも小さいのにプリプリとした触感がある。素材がいいのか、火の通し方がいいのか、あるいはその両方か。トマトソースは酸味が抑えられており、甘くて優しい味付けだ。私は思わず自分の鼻毛が伸びているんじゃないかと心配になってしまった。あとはもうとにかく夢中になって食べた。熱々の状態で運ばれてきたのでもっとゆっくり食べるべきだったが、上あごを軽く火傷しつつも気にせず食べ続ける。最後の「残ったソースつきパン」も陸くんの予言通りの味であった。私はこれまでに「ここ美味しいよ」と色々な店を教えてもらったことがあるが、小学6年生の子に本当に美味い店を教えられたのは初めての経験である。

思い出してみれば彼には以前こんなことがあった。その時は場所が家庭教師センターだったのだが、まず午前中に2時間授業をやり、お昼に1時間の休憩を挟んでから、また午後に2時間というスケジュールだった。この1時間休憩のとき、彼は2駅離れた場所まで電車で出かけていき、何かしら食べてから急いで帰ってきたのである。その時私は「変わった子だなあ…その辺のコンビニで弁当でも買ってゆっくり食べればいいのに…」と思ったのだが、おそらくこの時もどこか美味い店まで出張していたのだろう。子供離れした食への欲求を持つ、おそるべき小学6年生である。

※ 梶が谷駅から徒歩5分ほどのところにある『ベルテンポ』というお店です。みなさんも機会があればぜひ足を運んでみてください♪


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